<桜上水編>




「いらっしゃい、くん。」
「やあ、お邪魔するよ。」
「藤代くんからメールが来た時はビックリしちゃったよ。」
「メールアドレス、交換してたんだ。」
「うん。この前、僕も買って貰ったんだけど、携帯売り場に偶然藤代くんもいたから、交換したんだよ。」
「僕も将くんのメールアドレスと電話番号教えて貰えない?」
「喜んで。あ、良かったらくんのも教えてくれないかな。」
「うん、いいよ。」


風祭将、23人目にの携帯番号とメールアドレスを登録する。









くん、メールが来てますよ。』


「風祭の声だな。」
「そうだよ。大地、久しぶりだね。」
「ああ、27日振りといったところか。元気そうでなりよりだ。京介も元気か?」
「うん。一昨日、この携帯渡された時にあったけど元気そうだったよ。不破のみんなも元気?」
「ああ。父も母も元気だ。爺さんなど、京介に開発を命じられて張り切っている。」
「へー、大作のお爺さん、兄さんに何か開発を頼まれたんだ。」
「お前が持っている、携帯がそうだぞ。」
「え?これ、大作のお爺さんが作ったんだ。」
「ああ。居場所確認などの機能は当然だが、完全防水。ボディーの耐久力も高く、車に轢かれても大丈夫な素材で作っている。特殊な電波を使っているので、電波を拾っての盗聴は不可能だ。それと画面の液晶の部分に小型カメラを内臓していて、網膜のチェックを行っている。持ち主以外の人間が使うと、防犯機能が働く仕組みになっているらしい。」
「誰がそんな携帯、買うんだろうね?」
「注文は多いそうだ。主に海外の・・・スパイとして名高い人物からの注文らしいが。」
「スパイ絶賛の携帯に、何で着声登録機能なんて付いているんだろ?」


不破大地、はとこのに祖父製作の携帯の新機能を語る。









『メールが届いた。ウィルスの感染率は無い。安心して見ていいぞ。』


「・・・不破らしい着声だな。」
「やあ、水野くん。こんにちわ。」
「ああ、よく来たな。今日は1人か?」
「うん。誠二も来るつもりだったけど、補習でね。」
「藤代らしいな。」


『たっちゃーん』


「うわ、何で来てるんだよ。」
「ほら、これ、今日までに松下さんに渡すんでしょう?」
「それはそうだけど、ホームズまで連れて来なくてもいいだろ?」
「来るついでにお散歩しようと思って。」
「こんにちわ。水野くんのお母さんですか?」
「ええ。えーと、貴方は?」
「武蔵森サッカー部2年のです。」
「まあ、あの人のサッカー部の子ね。」
「はい、桐原監督にはお世話になってます。」
「たまには竜也と一緒に遊んであげてね。」
「はい。」


『バウ!』


「やめろ、ホームズ。を押し倒すな!」
「はは、いいよ。僕の家でもラブラドールレトリバー飼ってるし。」
「悪いな、の事、気に入ったらしい。ところで、よくウチの母さんだってわかったな。若く見えるから、よく俺の姉か?って間違えられるんだよ。」
「そうなんだ。カンでお母さんかなって思ったんだけど?」


水野竜也、飼い犬と母親にを気に入られる。









シゲ、不在の為、次の休日に再び桜上水訪問。


『メールが、ワン!、来て、ワン!、る、ワン!、うるさいぞ、ホームズ!!』


「・・・なんや、これ?」
「水野くんに入れて貰った着声だけど?」
「犬の声がしとるけど、ホームズか?」
「うん。この前来た時はお母さんとホームズが来ていたからね。」
「タツボンも飼い犬にまで邪魔されとるとはなぁ。ところで、こないな着声、使うてるのか?」
「水野くんからのメール着信音に設定してるよ。」
「じゃ、タツボンからメールが届けばこの着声が流れるんか?」
「そうだよ。あ、この前、三上先輩がこれを聞いて爆笑してた。」
「三上ってあの武蔵森の10番の兄さんか?」
「そう、司令塔やってる人。」
「あの男前の兄さんも聞いたんか。タツボンも難儀やな。」
「シゲさんも入れてみる?」
「おう、俺の美声も入れてやるわ。」


佐藤成樹、携帯は持っていないが着声製作。









『シゲちゃんからメールが来とるで〜♪』


「なんだ、シゲの声も録音したのか?」
「うん。快く入れて貰ったよ。」
「あ、この前の俺の声は消したか?」
「まだだよ。」
「あのな、いい加減に消せって。」
「えー、三上先輩も良いって言ってたよ。」
「・・・アイツも聞いたのかよ。最悪だ。」
「うーん。でも、そろそろメモリも減って来てるから、間宮の声でも消そうかな。どうせだから聞いてみる?」
「間宮のはいいから、俺の声を消してくれ・・・。」


『メールが来て、ギャアアアアア!!』


「い、今の悲鳴は一体?!」
「間宮のトカゲを踏んだ時の渋沢先輩の声だよ。」
「取っておくなよ、そんなの。しかも、間宮の声より渋沢の声が大きいぞ。」
「みんな、面白いから取っておけって。」
「何やってるんだ、武蔵森は?・・そういえば、シゲの着声はどこに設定してるんだ?アイツ、携帯持ってないぞ?」
「間宮の着信音にしてるよ。」
「何でまみ・・・、ちょっと待て、間宮の下の名前って確か・・・・」
「シゲルだよ。」
「シゲ・・・ちゃん・・・?」


水野は明らかに違和感を感じているが、、まったく感じないのかシゲの着声を間宮の着信音に設定。