<飛葉編>




!」
「翼さん、久しぶりです。」
「聞いたよ。将のところに行って、声を録音して着信音にしてるんだって?」
「はい。携帯のモニターをしないといけないので。」
「その録音した奴、僕にも聞かせて貰えるよね?」
「ええ、いいですよ。」


再生中♪


「あはははははは!」
「そんなに面白かったですか?」
「ああ。特に渋沢とか水野とか面白かったよ。」
「そうですか?2人共、真面目に入れてましたけどね。」
「渋沢はたまに天然入っているし、水野は生まれながらの不幸体質なんだよ。」
「ふ、不幸体質・・・」
「あ、、ところでさ。」
「はい?」
「僕も録音していい?」


椎名翼、面白い事には当然乗る男。









『メールが届いたぜ。焦らずに返信しろよ。』


「・・・翼さん、先に録音するんじゃなかったんですか?」
「柾輝がどうしても先に録音したかったんだってさ。」
「・・・俺、そんな事、一言も言ってないけどな」
「そうだった?ほら、も柾輝の着声に何かコメントしろよ。」
「うーん、柾輝くんらしい着声だね。」
「俺らしいって言うと?」
「一言で言えば優しさが滲み出てるっていうのかな?メールが来るとすぐに返さないとって思うけど、この着声聞くと落ち着いて見れそう。」
。」
「うん?」
「柾輝、照れてどういう顔していいかわからないみたいだから、その辺にしといてやれよ。」
「本当だ。耳まで真っ赤だ。」
「あんまジロジロ見るな」
「さて、柾輝もこんなだし、僕も録音するかな。」


黒川柾輝、天然タイプのに誉められて、黒い肌を赤く染める。









『メールが来てるよ。早く取ったら?長く音を鳴らしているだけ、時間も電池も無駄だよ。』


「翼らしいな。」
「翼さんらしいね。」
「そう?じゃ、どこが僕らしいか、教えてくれる?」
「1度も失敗せずに録音時間20秒ピッタリに録音したところかな。」
「楽勝だよ、そんな事♪」
「翼、普通は出来ないぞ。」
「当たり前だよ。僕だから出来るんだよ。」
「あっそ。」
「以外にこうして録音して聞くのも面白いね。そうだ。今から僕は玲のところに行かないといけないけど、柾輝とで他の連中の分も録音して来てよ。」
「他の連中って、ナオキとか五助とかか?」
「そう。じゃ、頼んだよ。」


部内の権力者、椎名の命令により、・黒川、他の飛葉メンバーの録音作戦に移る。









『えー、ただいま留守にしとります。ご用がある方はピーという発信音の後にメッセージをどうぞ。』


「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「なあ」
「うん。」
「俺が五助達を探してる間に、ナオキに録音頼んでたんだよな。」
「うん。メールの着信音にするから、声を入れてって頼んだら、これ入れてどこかに行っちゃった。」
「マジボケ?」
「・・・マジボケだと思う。これはこれで面白いかなって思って、僕も何も言わずに戻って来たけど。」
「は?じゃ、アイツ、間違いに気が付いてないのか?」
「多分。」
「誰か1人はやると思ったけど、ナオキがやったか。アイツん家、まだ昔の黒い電話だからな。」


井上直樹、お約束を素の状態でかます。









『メールが届いたぞ。読んでくれよな。』


、酷いやないかぁ〜。」
「あれ、直樹さん、気付いたの?」
「アホー、柾輝がわざわざ教えてくれたわ!!」
「アホはお前だ。」
「なんや、柾輝も来たんか?」
「来ちゃ悪いか。大体、人の話を聞かないナオキが悪いと思うけど?」
「・・・そうやな。あ、さっきの声、どうなったん?」
「ちゃんと登録して、直樹さんからメールが来たら鳴るようにしたけど?」
「後生や〜。やり直させてや〜。」
「あ、ちょっと!」
「ぎゃああああ!」
「・・・・・今のなんだ?」
「直樹さんが携帯のボタンを適当に押したから、防犯装置が働いたんだよ。」
「携帯に防犯装置?」
「そう、痺れる程度の電流が流れたとは思うんだけど。」
「まるでスタンガンだな。おい、ナオキ大丈夫か?」
「大丈夫・・・やない。これから人の携帯いじる時は注意せなあかんな・・・。」


畑五助。井上直樹のせいで折角入れた着声について触れられず終了。









『メールだ。返信よろしく。』


「なあ、この前の俺の着声どうだった?」
「俺、五助の声は聞いてないぞ?ナオキは?」
「俺?俺も聞いとらんわ。電流喰らってそれどころやなかったし。」
「あ、あの時、ナオキがに文句言いに行った時、が聞いてたあれがそうじゃないか?」
「ああ、あの『読んでくれよな』の奴かいな。」
「そう言えば、誰も何もコメントしなかったよな。」
「あの、兄貴がへこんじまったんだけどよ。」
「あ、ホンマや。」
「しかも体育座りでのの字書いてるし。」
「デカイ男がやるとなお不気味だよな。」
「追い討ちかけないで、何かやってくれ!」
「兄貴思いな奴やな。じゃ、さっきの六助の分も合わせて1人1コメントしよか?じゃ、柾輝から。」
「普通。」
「普通って・・・」
「それが1番いいんだよ。今度、に他の連中の奴を聞かせて貰え。絶対、面白いから。次、ナオキ。」
「俺か?そうやなー、2人ともシンプルな着声やな。」
「それ、誉めているのか?」
「おう。シンプル イズ ベストって言うやろ?」
「最後は僕だね。うーん、2人共、声が似てるよね?だから音が鳴った時にどっちがどっちかわからなくなりそうだよ。」
「あー、お袋も間違うくらいだからな。でもまだいいぜ。」
「まだって言うと?」
「俺達の上に3歳上の兄貴達がいるんだけどよ。」
「複数系って事は双子?」
「いや4つ子。」
「よ、よつ?まさか、名前は?!」
「一助、二助、三助、四助だ。その兄貴達、声がそっくりでよ。俺達もよく間違うんだよ。」


畑六助、上に五助以外に4つ子の兄の存在が発覚。









「翼さん、終わったよ。」
「よし、さっそく聞こうか?」


再生中♪


「・・・・ナオキ、何やってるの?」
「さあ?柾輝くん曰く、マジボケらしいけど。」
「ふーん、思ったより面白くないな。やっぱり飛葉は普通なんだよ。」
「武蔵森や桜上水の面々が聞いたら怒りますよ。」
「本当の事を言ってるだけだよ。大体、みんなキャラ濃いじゃん!・・・水野は存在が薄いけど。不幸体質だし。」
「何気に酷い事言ってますね。あと、翼さんも十分濃いですよ。」
もね。」
「そうですね。」
「選抜の連中は濃い奴ばっかなんだけどなぁー。あ、そうだ。来週、選抜の練習あるだろ。その時に録音大会な。」
「まだ、やるんですか?」
「当然。ここまで来たら知り合いという知り合いは全員やる。」
「西園寺監督やルイスコーチも?」
「そう。あ、あと。中村コーチ忘れてるぞ?」
「僕、あのコーチの事あんまり知らないんですけど、やるんですか?」
「やらなくていいか。」
「そうですね。」


、中村コーチの存在を綺麗に消去して来週の選抜練習に挑む。