<東京選抜A編>






「よ、。」
「やあ、若菜くん。」
「この前の予告通り録音しよーぜ。」
「うん。じゃ、僕、携帯持って来るよ。」
「録音って何の話?」
「お、設楽じゃん、久しぶり。どうしたんだよ?」
「鳴海の馬鹿が学校に成績表置いて行ったから、持って来た。」
「わざわざご苦労さま。でも、自宅に届けた方が良かったんじゃないの?」
「・・・・親に見せられる成績じゃないって本人うめいてた。」
「それでわざわざ練習場まで来たんだ。優しいね、設楽くんは。」
「別に。・・・そうだ、。竹巳は元気してる?」
「ああ設楽と竹巳は従兄弟同士だったね。元気だよ、竹巳も。」
「そう。今日、もここにいると思ったから、ついでに手紙渡して貰おうって思ったんだ。頼める?」
「いいよ。竹巳に渡しておくね。」
「よろしく。」
、早く録音しようぜ。」
「あ、うん。」
「さっきから録音って言ってるけど、何の録音?」
「ま、見てろよ。すぐにわかるからさ。」


若菜結人、マイク代わりに携帯を握り締め、何故か熱唱モード。








『メールが来てるよ〜〜〜〜〜』


「ねえ、これってメール読みマ○スの真似?」
「何、それ?」
「知らないの?」
「うん、僕、去年までイギリスにいたから。」
「そっか。CMに出てくるキャラクターなんだけど、メールが来るとさっきの若菜みたいにメール着信を通知するんだ。まあ、誰かは真似するネタだと思ったけどね。」
「ひでー、まだ誰ともかぶってないぜ?」
「ふーん、みんなどんな着声な訳?」
「聞いてみる?」
「うん。」


再生中♪


「本当だ、かぶってないや。でも・・・あの真田や水野の着声って何?」
「気にするな。色々あったんだよ。特に一馬は。」
「ふーん。俺もどうせだから鳴海宛の伝言用に使おうかな?」
「え、マジ?」
「マジ。わざわざ来てやったのに、アイツそこでナンパしてるしさぁ。お陰でこれ渡して帰れないし。」
「あ、ホントだ。」
「懲りないよね。あの人、ここの施設の職員の人でしょう?」
「俺、伝言残して帰るよ。成績表は・・・お願い。」
「僕?」
「うん。なんかって人のプライバシー守りそうだし。」
「設楽、俺は?俺は?」
「真っ先に見るタイプ。」
「ひでー。俺だってさぁ・・・。」


沈む若菜を無視して、設楽兵助、鳴海に伝言を残して帰る。









『バカ鳴海へ。成績表、学校に忘れるなよ。それと、もしも文句なんか抜かしたら、お前の成績をバラす。』


「アイツ、中身、見たのか?」
「さあ?」
に預けたのは正解だったな。これが他の奴だったら見られてるからな。まぁ、渋沢とか風祭、それに伊賀や木田とかも大丈夫そうだけどな。」
「そうだね。」
「今日ばかりは設楽に感謝だ。」
「じゃ、これ渡しておくね。」
「おう。・・・・・って!!」
「奪還成功〜♪」
「奪還って、それは俺のだ!藤代!返せ!!」
「やだよーん。サクちゃんパス。」
「え、何、鳴海の成績表?おい、上原、見ようぜ!」
「おう!・・・あ、若菜もどうだ?」
「見る見る〜。あ、英士、一馬、ちょっと来いよ。面白いの見れるぜ。」
「何の騒ぎ?練習前なんだから少しは落ち着けば?」
「お、椎名。鳴海の成績表って興味ない?」
「面白い物持ってるね。ちょっと見せてよ。」
「鳴海、もう諦めたら?」
「ちくしょ〜。く〜、藤代の奴め〜。、お前、藤代の成績くらい知ってるよな?」
「まあ。」
「教えろ。」
「それってプライバシーの侵害じゃない?」
「先にやったのはアイツだ。」
「・・・確かにお灸は据えないとね。今期分でいい?」
「十分だ。」


鳴海貴志、設楽との配慮は良かったが、伏兵の藤代に成績を暴露され、報復を誓う。









『メールが来てるぜ。読めよ。』


「鳴海に入れて貰ったのか?」
「あ、渋沢先輩。情報料代わりって言って入れてくれたんですよ。そっちの様子はどうですか?」
「ああ、ようやく収まったよ。これで藤代も少しは懲りればいいんだけどな。」
「竹巳は諦めているようですけどね。」
「笠井も・・・その・・・苦労しているからな。」
「酷いよ、。何で鳴海に俺の成績をバラすの?」
「先に仕掛けた誠二が悪い。」
「そうだぞ、藤代、もう少しなぁ・・・・。」
「あ、、あの携帯じゃん。何、鳴海の声も録音したの?じゃ、上原やサクちゃんの分もやろうぜ。」
「あのね、誠二。」
「あ、頼みにくい?それなら俺が頼んで来るよ。ロック解除してある?・・・じゃ、行って来るね!」
「人の話は最後まで聞け、藤代。」
「先輩、もう行ってしまいましたよ。」
「・・・・・そうか。」
「いっそ、竹巳みたいに諦めますか、僕らも。」
「・・・・・・・そうするか。」


渋沢克朗、と共に何かを諦める。










『メ〜ルが〜届いたよ〜〜。』


「これ、上原の声だよな?」
「多分。」
「どっかで聞いた事ある喋り方なんだよ。誰だったかな?」
「もしかしてゲームのキャラクターじゃない?」
「ああ、そうだ東京魔人学園の高見沢だよ。あれ面白くてさ。全キャラクリアしたんだぜ、俺。もプレイしたのか?」
「誠二が全エンディング見せてくれたんだ。僕はまだやってないよ。」
「今度やってみろよ。はまるぜ〜。」
「時間があったらね。」
「話は戻すけど、確か上原って高見沢キャラが好きなんだ。白衣の天使好きかぁ?」
「看護婦見習だったよね、確か。」
「ああ。あ、そう言えば、この前アイツん家いったら、全身ピッタリスーツが置いてあってさ。」
「碇シ○ジ?」
「そうそう、詳しいな。」
「この前、街を歩いていたら手芸店から出て来た上原くんに会ったんだよ。その時、色々詳しく教えてくれて。・・・・そう言えば、来月のイベントは熱いぜって言っていたよ。」
「今、11月なのにアイツにとっては暑いんだな。」


上原淳、来月のイベント地で燃える。(この場限りの設定です)









『メールが来たよ〜。』


「2人分の声だよな。桜庭と・・・もう1人は誰?」
「桜庭くんの彼女だよ。」
「え、あいつに彼女いたの?」
「2日前に出来たらしいよ。ほら、そこのフェンスの女の子がそうだよ。」
「人の携帯にカップルで声入れるなよな。」
「いいんじゃない?僕は気にしないし。でもさすが携帯にプリクラ貼ろうとしたのは止めたけどね。」
「貼るなよ・・・バカップルだ・・・。しかも別れたらこの着声どうするんだろうな?」
「さあ?でも、別れるまで消すなとは言われたけど。」
「うわ、別れるまでっていつだよ。消しちゃえ、消しちゃえ。」
「え、消すの?」
「消しちゃえよ。どうせ、、桜庭の番号知らないだろ?」
「そうだけど・・・じゃ、消すよ。」
「レッツゴー♪」
「消去終了したけど・・・・これで桜庭くん達、別れる事にはならないよね?」
「付き合い始めて2日だろ?別れないって。」
「そうかな。・・・・・・あ、桜庭くんがこっちに走って来た。」
「うわ〜、あいつ涙目なんだけど。」


桜庭雄一郎、彼女と別れたか謎のまま、・上原の方に泣きながら爆走中。