「えーと、みっくん、これは一体どういう事でしょう?」
「俺がを押し倒してます」
「ついでに何故そんな状態になったかお聞かせ願いますか?」
「の髪をかき上げる仕草にムラっと来たので」
「ムラっとですか」
「うん、ムラっと来たね」
「そうですか」
「思った以上に冷静だね、」
「いえ、内心一杯一杯です」
「・・・そう?心音は普通に聞こえるんだけど」
「みっくん、仮にも年頃の女の胸元に顔を埋めるのは如何なものかと思うのだけど」
「えー、駄目?」
「そういうのは彼女と言う名の特別な存在に頼むべきだと思われます」
「じゃあ、、彼女になって」
「・・・」
「駄目?」
「そんな捨てられた子犬のような目で見るのは止めて欲しい。そもそもみっくん、そのような不純な動機で彼女になるように頼むのは頂けないと思うのだが」
「不純かな?」
「女の胸元に顔を埋めたいという欲求を満たす為に頼むのはどうかと正直思うのだけど」
「・・・別にこれがしたいから彼女になってって頼んでいる訳じゃないんだけど」
「ふーん。じゃあ、何で?」
「の事が好きだから」
「・・・」
「返事は?」
「ねぇ、みっくん」
「何?」
「あと数ページほどで犯人がわかりそうだから、犯人とそのトリックをこの名探偵が解き明かしてからで良い?」
「その本の犯人は・・・」
「言ったら2週間、口利かないよ」
「・・・言いません。待ちます」
「うん」
「ねぇ、」
「何、みっくん?」
「よく俺に押し倒されたまま本読む気になるね」
「今、良い所だからね」
「良い所なんだ」
「シャンデリアが落ちて来た」
「あー、それはね・・・」
「言ったら・・・」
「ごめんなさい」
「ねぇ、」
「何、みっくん?」
「俺に押し倒されてて嫌じゃないの?」
「嫌だったらとっくに抜け出してるか、蹴り飛ばしてるね」
「そっか」
「うん」
「ねぇ、」
「何、みっくん?」
「後、何ページ?」
「32ページ」
「・・・増えてない?」
「気のせいだよ」
「・・・そうだね」
「うん」
「暇だからこのまま引っ付いてて良い?」
「どうぞ」
「じゃ、お言葉に甘えて」
「の心音心地良いね」
「人間の心音にはそういう効果があるからね」
「あー、母親の胎内に居た時に聞いてるからとかそんな理由だよね」
「うん」
「俺の心音聞いてみる?もうバクバク言ってる」
「バクバクなんだ」
「うん、とこうしていられるからね。ねぇ、聞いてみてよ」
「これ読んだらね」
「うん、待ってる」
「みっくん」
「何?」
「読み終わった」
「面白かった?」
「面白かった」
「俺の事好き?」
「引っ付いてても良い程度には好きかも」
「俺の心音聞いてみる?」
「うん」
「どう?」
「バクバク言ってるね」
「凄いだろ」
いつかの心臓もバクバクさせてあげる。
楽しみにしてる。
日生氏、ヒロイン、高校1年生。