帰り道。生徒会の仕事が無いと帰る途中。体育祭の話をしていたら、不意に自分が団長になった事を思い出して聞いてみた。


「そういえば団長ってどういう事やらなきゃいけないんだ?」


俺、山口圭介の幼馴染は学校行事にも詳しいです。非常に頼りになる存在なのです。




「そうだね・・・」


は思いつく限り団長の仕事を口にするが、多い、予想以上に多い。団長=青組のトップである。はっきり言って甘く見ていた。やる事が唸るほどある。各部門、責任者はそれぞれいるけれど、作業がどのくらい進んでいるか常に把握してなきゃいけない。練習するとなったら許可申請しなきゃいけない。団長会議には出なきゃ行けない。体育祭の準備期間中は延長された下校時間ギリギリまで居なきゃいけない。部活もほぼ停止状態だから、普段は部活に忙しい奴は準備に専念できるけど、ユースの練習がある俺は1回や2回は休めても、それ以上は無理だ。


「なぁ、。副団長って団長の指名で出来るよな?」
「毎年どの組も団長の指名らしいよ。」
「ユースの練習ある以上、本当は団長を辞退しなきゃいけない所だけど、選ばれた以上頑張れるだけ頑張りたい。何もやらないで辞退したくないし。だから副団長は俺の我侭に付き合えて、信用出来て、団長代行が出来る奴にする」
「誰に頼むの?」
「お前」


呆気に取られた顔で俺を見る。え?俺、何か変な事言った?


「・・・毎年、副団長も男子がやってるみたいなんだけど?」


それではあんな表情になったのか。納得した俺は如何にしてを説得するかだけ考える。相手は非常に頼りになる存在。逃がしてなるものか(元からも俺に票を入れたし巻き添えにする気満々だったけれど)。


「何事にも例外はつきものだろ?」
「まぁ、確かにそうだけど・・・」
「俺も出来る限りやる。だから手を貸してくれない?」


は困っている時の俺の頼みは大抵聞いてくれる。俺以上に頭が回る奴に小細工は無用、むしろ逆効果。正攻法で正面からぶつかって見る。すると、


「良いよ。その代わり、サッカーを言い訳にしないでね」


夕日を背に優しく笑うに当たり前だろと答えると、(サッカー言い訳に準備サボった日にはに口聞いて貰えなさそう)(やる以上は全力でやる人間だよ、俺)いつもの道をゆっくりと話しながら帰ったのだった。


後々の話になるが、高柳にしろ鈴木にしろ団長になったら、あれこれ手伝わされそうだったので、どうせ手伝うならと思って俺に1票入れたんだとか。はその辺、計算高いと思った。