MVPの表彰式が終わった。


MVPに選ばれたのはうちの青組の団長と副団長。山口圭介と。青組陣地に戻って来たのだが・・・。


中3でお姫様抱っこされた友人(同じく中3)を見る事になろうとは。ああ、もう見てられません。恥ずかしい。バカップルかあんたら(特に山口君)。私、は思わず横を見てこの光景から目を逸らしました。逸らしたら君とバッチリ目が合い、にっこりと彼は笑ってくれました。


君って顔良し、運動良し、頭良し、性格良しと3拍子どころじゃなく揃ってるから人気高いけど・・・何と言うか不思議な人だよね)


「あー、この場合、どう下ろせば良いんだ?」
「・・・後先考えて行動しようね。圭介がこの状態から屈んで、足の方を地面に下ろせば、私が後は立ち上がるから」
「いや、お前、怪我してるからそれは無理だろ」
「肩を借りてゆっくり立つから」
「わかった。じゃあ、下ろすからそこに椅子に座ってゆっくりしてろ。・・・くれぐれも動くなよ?」


お見通しとばかりに山口君の目が光る(キラリと光ったように見えた)。は大きく肩を竦めると「わかった、後、お願い」と言って、大人しく椅子に座った。その姿を見届けて、山口君は青組の輪の中に入って、最後の団長挨拶で締めに行った。


「お疲れ様」


に労りの言葉を掛けると、は珍しく深い溜息をついて今の心境を私に伝えたのだった。