「・・・で、僕としては早く手を出したくて出したくてしょうがないのに、あの人はそんな僕に気付いてくれなくて。ああ、もうおかしくなりそうですよ。・・・いっそおかしくなろうかな〜。もう、家に連れ込んでその後は」
「スガ、落ち着け。そんな事したら犯罪になるぞ!」
「でも、僕だって男なんですよ〜?圭介君もわかるでしょう。好きな子にあんな事とかこんな事とかしたくなるでしょう?圭介君もしたくなるでしょう?と、言うかもうしちゃってるでしょう?!」
「が居る前で変な事言うな!俺のが穢れる!」
「はっ!どうせ、圭介君の手で穢しちゃう予定なんでしょう?」
「スガ、てめぇは言っちゃいけない事をいった。誰しもが暗黙の了解と定めた禁句に触れるとは良い度胸だ。ちょっとこっち来い」
「良いでしょう。僕も最近ストレス溜まりがちだったんですよ」
「痛い目見ねぇとわからねぇみたいだしな」
「この鬱憤晴らさせて貰いますよー」
ボキボキと間接を鳴らす・・・のでは無く、山口は足首を入念にストレッチし始める。その横で須釜も同じようにストレッチ。一触即発の空気を出しながら、2人が持って来たのはサッカーボール。どうやら山口はサッカーで痛い目を見せるつもりらしく、須釜はサッカーで鬱憤を晴らすつもりらしい。そのステキなまでにサッカーバカの姿を、冷ややかな目で見るのは横山平馬。彼の手には愛用の音楽プレーヤーのイヤホンがあり、耳に押し当てていた。
「ねぇ、平馬君。いつこのイヤホン外して良いの?」
イヤホンを押し当てているのは横山の耳では無い。山口の彼女にして、ナショナルチームのサポートメンバーの1人、。上目遣いに見つめる彼女を見て、
「あ、うん。もうちょっとだけつけててね」
と、イヤホンから流れる音楽のせいで伝わっているかどうかわからないので、横山は押し当てる掌の力を少し強めた。
「さんはこのままでいてね」
須釜の言う通りになるのはわかりきっている事だが、出来る限り守りたい。そう思う横山はに笑い掛けると、もう1度その台詞を言った。流れる音楽で聞こえていないのだろう。よくわからないと言った顔で、は首を傾げた。
(山口圭介&須釜寿樹 17歳 微妙なお年頃につき)