「君は不老不死をどう思う?」
「凄く羨ましいです!」

御機嫌よう、鈴木だ。英会話家庭教師代理としてやって来たアンガスさんと談話中だ。話の内容はアレなんですけどね。

体は幼児!精神年齢と頭脳は大人!その名は鈴木!!な私と、職業は錬金術師!人種は不死者!現在の年齢は318歳!!のアンガスさんだよ?不老不死やら若返りやら輪廻転生の話にどうしてもなってしまうんだね。あ、ちなみにアンガスさんは輪廻転生否定派だった。ついさっきまでの話だけど。自分の目で見た物しか信じない信条で、私の存在を確認して肯定派に変わったよ。

私についてアンガスさんには、話せるギリギリの範囲まで話した。最初は話す気は無かったけれど、アンガスさん『達』が不老不死になったその原因の作り方教えたのは悪魔だそうです。しかもその悪魔、未だにこの世界にいるらしい。不死の酒の作り方を知っている悪魔なら、私に掛けられた呪いとかわかるかもしれない。その為にも是非とも接触したいが、アンガスさんも今どこにいるかまではわからない。不死者の大半がアメリカにいるので、そこに居る可能性が1番らしいが、アメリカって滅茶苦茶広いからなぁ。

「何故羨ましい?」
「事故死の心配しなくて良いじゃないですか」
「それなら飲むか?」
「私の呪いが強いか不老不死の酒の効果の方が強いか気になりますが・・・」
「確かに気になるな。よし、飲め」
「嫌ですよ!一生、6歳児とか!!」
「ふむ。シルヴィのように成長してから飲むか」
「天涯孤独の身なら考えますが、流石に家族も居ますから諦めますよ」
「うーむ。結果が知りたかったのだがな」

残念だと繰り返すアンガスさんだが、私が見る限りそれ程残念そうに見えない。輪廻転生の体現者である私を確認出来ただけで満足しているようだ。

何故、アンガスさんは私に目を付けたのか?アンガスさんは普段から物質を分析するメリクリウスの瞳と言う眼鏡を掛けているが、私を見た瞬間にその眼鏡が突然壊れた。有機物無機物関係なく分析するアイテムで、例え不死者を見ても壊れないアイテムにも関わらずだ。アンガスさん曰く、今の私を構成する情報量が膨大過ぎて処理出来ないとの事。どうやら分析能力に関しては私の魔眼の方が上のようだ。ちょっとだけ優越感・・・じゃないよ!

「アンガスさん、頼むから第三者にその眼鏡渡さないで下さいね!」
「心配しなくてもこれは俺にしか使えない」
「何故?」
「俺の視力に合わせて作っているからだ」
「知識の流出」
「食われない限り大丈夫だろう。セラードのジジイも死んだ。俺を食おうとする人間なんて・・・あー心当たりが2人程いるか」
「さらっと怖い事、言わないでくださいよ!」

不死者を殺す唯一の方法。それは不死者が不死者を食う事。食うと相手の知識が自分の物に出来るらしい。どうやって食えば知識を得れるのか疑問だったけれど、アンガスさんがニタァと笑った後、「聞きたいか?」の言葉に私は首をブンブンと横に振った。これを聞いたら私はアンガスさんの世界に足を踏み入れてしまう。そんな気がした。




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アンガス=マレット
オリジナルキャラクター。バッカーノ!の世界出身。マイザー達、アドウェナ・アウィス号の一員。世界を放浪しながら未知なる物を探し続ける男。外見年齢27歳。
金髪碧眼。細身の銀フレームの眼鏡(メリクリウスの瞳)を掛けている。かなりの美形だがどこか影のある男。快楽主義で物事に面白さを常に望む。

メリクリウスの瞳
ヴィオラートのアトリエから拝借。無機有機関係無く分析する眼鏡。情報量が多いと壊れるが、今の所、以外で壊れた事は無し。