組の団長の衣装は長ラン、副団長は短ランである。その統一性が無さに過去にそのチグハグさを定めた誰かさんに尋ねて見たい所だ。長ランなら長ランで、短ランなら短ランで。統一性を持たせたいときっと過去の先輩方も思ったことだろう。しかし、予算の関係で新しく新調する余地も無く、まぁ毎年これを着ているのだからいい加減在校生はおろか見学に来た付近の住民の方々も見慣れてしまっているのが現状だ。


さん、かっこいい」
「ありがとう」


俺、山口圭介の幼馴染はきゃーきゃー言われてます。


・・・クラスの女子に。




小学校の高学年の頃、悪化した視力のお陰で眼鏡のお世話になっていたは、時々休日にコンタクトをしてる姿を見た事はあっても、学校でのコンタクト姿は初めてで。いつもの髪はポニーテールにして、鉢巻して白手袋して短ラン姿。その姿は威風堂々とし、とても凛々しい。普段見ている姿とはまた違った姿で、何と言うか綺麗だと思った。そんな事を考えていたら、背後に気配を感じて思わず振り向いた。


「やぁ」


そこには片手を挙げてにこやかに笑うの姿。


「惚れ直した?」


そう小声で聞いて来るに、なっ!と焦った声を上げてしまったのは迂闊と言うべきか。


「図星か〜。いや〜わかりやすいね、山口は」


そう笑顔で言うと、クラスメイトの輪の中に戻って行く


(あー、顔まだ赤いし。しかし、あいつは何がしたかったんだ?)


頬を軽く叩いて、気合を入れ直し。


「圭介」


するとが俺の傍にやって来た。


「やる以上、狙うよ」


不敵に笑う。何をなんて聞くまでもない。


「じゃ、優勝目指して頑張りますか」


そうして俺とは皆の輪に入って行き、青組3年が円陣を組んで勝利を誓うまで後数分後の事。最後の体育祭、狙うは優勝。